チャプター221レーシングインフェルノ

カークがこれほど獰猛で、しかも格好いいルーシーを目にしたのは生まれて初めてだった。心臓がひとつ跳ねる。

観客のざわめきも、歓声も、いつしか滲んで遠のき、残ったのはルーシーだけだった。

大胆で、堂々たるその存在感にカークは息をのむ。焼きつくような印象が、どうしても頭から離れない。

――そのとき、エンジンの雷鳴が轟き、カークは現実へ引き戻された。ルーシーがアクセルを踏み抜くと、マシンは弾丸のように前へ飛び出す。

アドレナリンで頭ががんがんと脈打った。抑えきれず立ち上がり、遠ざかっていくルーシーのマシンに向かって叫ぶ。

「行け、ルーシー! ルーシーが一番だ!」

言い終えた瞬間、何かがおか...

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